税理士が教える!株式会社設立のポイント
会社と税金は、切っても切り離すことができない関係にあります。税務面から見た株式会社設立の際の賢いポイントをご紹介します。
- 資本金の額はいくらにするのがベストか?
- 役員の給料の決め方のポイントは?
- 身内や親族を会社の役員にすべきか?
- いくら以上売り上げがあったら法人成りすべきか?
- 個人事業から引継いだ資産はどうする?
- 会社設立にかかった費用は経費にできるか?
- 不動産で現物出資をするメリットデメリットは?
- 決算期と繁忙期をずらしたほうがいいのか?
- 設立後、税理士さんに依頼をするメリットは?
- 設立後、すぐに税務署から調査がくるのか?
- 税務署の調査というのは、どのようなものか?
資本金の額はいくらにするのがベストか?
「資本金は○円がベスト!」という明確な基準はありませんが、資本金を決める際には、法人税と消費税がポイントとなります。
まずは法人税を考えると、資本金1億円以下の法人(中小法人といいます)がメリットが大きいといえます。1億円以下の法人は、交際費、減価償却資産等々で優遇される制度があるのです。また、年800万円までの所得については法人税の税率が30%から22%になります。
次に消費税ですが、消費税のことを考えると、1,000万円以下の資本金にされるとメリットが大きいといえます。株式会社を設立する際に資本金が1000万円以下であれば、免税事業者となり、消費税を支払う必要がありません。もし1,000万円を超えて設立した場合は、初年度から消費税を納めなければなりません。
ただし、設備産業で初期投資がかかるなど場合は、資本金を1,000万円以上に設定して初めから課税事業者となったほうが有利ということもあります。
資本金をいくらにしたらいいのか、というのは、それぞれの会社によって異なりますので、金額の決定についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
役員の給料の決め方のポイントは?
役員の給与がいくら以内でないとダメというような制限は特にありませんが、不相当に高額な給料部分は否認を受ける可能性があります。ここでいう「不相当に高額」な金額の判断基準としては次の2つがあります。
(1)実質基準
その役員の職務の内容、その法人の収益及びその使用人に対する給与の支給の状況、その法人と同種の事業を営む法人で、その事業規模が類似するものの役員に対する給与の支給の状況などから判断するもの。
(2)形式基準
会社の定款の規定や株主総会の決議により定めている役員給与から判断するもの。役員報酬が定款等で定めている金額を超えている場合は問題となります。ですから、定款(一般的には株主総会決議)や株主総会決議というのは税務的にも大事なものなのです。
なお、上記の基準を用いて算出した金額のうち、いずれか多い金額を判断基準に用いることになります。
身内や親族を会社の役員にすべきか?
身内や親族を役員とすることで、その方に役員報酬を支払うことができます。これによって、相続の際の財産を前もって分散する効果や、経費の算入枠も広がります(あくまで事業関連性のあるものに限りますが…)。
ただ以前は、役員報酬について給与所得控除を受けることができたのですが、このメリットは税制改正によりなくなっています。
いくら以上売り上げがあったら法人成りすべきか?
事業の規模によって、全体の税負担や社会保険料等を考慮した上で、法人成りを行うかどうかの判断を総合的に行う必要があります。 従いまして、具体的にいくら以上の売上(もっというと利益)が見込まれる場合に、法人成りをした方がよいかを計算することは困難であります。
ただ、法人には赤字でも均等割りというものがあり、住民税の支払い義務がありますので、年間の所得税及び住民税の負担合計額が(住宅ローン控除等を控除前)70,000円以下であれば個人事業のままのほうが有利です。
個人事業から引継いだ資産はどうする?
法人名義に変えるのがベストです。ただ、変えていなくても税法では、「実質課税の原則」というものがありまして、名義が社長名義でも実質的に法人の事業の用に供しているものについては経費にできますのであまり神経質にならなくてもいいです。
ただし、その資産を法人の事業で使っていることを証明することが必要となります(携帯の通話明細を用意する等)。
会社設立にかかった費用は経費にできるか?
設立手続きに係る費用は「設立にかかった」費用であれば「すべて」創立費、開業費として経費にできます。
不動産で現物出資をするメリットデメリットは?
現物出資をしたからといって特別の税制的な優遇があるというわけではありません。
ただ、不動産をご所有で、個人事業として申告をしている場合においては、経費算入枠が広がる法人にした方が有利な場合はあります(また、相続対策としても有効である場合があります)。
ただし、現物出資は、所得税・消費税法ともに「売買(新設会社に対する譲渡)」として取り扱われることになりますので、それに伴う課税問題が生じます。
決算期と繁忙期をずらしたほうがいいのか?
株式会社の場合、決算期を自由に選択していただくことができるのですが、3月を決算期にされる会社様が多いのが現状です。
決算期は、その事業年度の会計をまとめる作業をしなくてはいけないので、繁忙期と避けていただくという選択でもいいですし、わかりやすきやっぱり3月決算がいい!という場合は3月決算を選択していただくとよいでしょう。
税理士事務所に決算をご依頼いただく場合でも、「3月決算にすると税理士さんも忙しいだろうし、時期をずらしたほうがいいのでは?」と心配されるお客様もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。あくまでも会社の都合で決めていただくべきです。
設立後、税理士さんに依頼をするメリットは?
一口に法人税、消費税といっても奥の深いものですので、マスターするには時間がかかります。そこで忙しい社長に代わり専門的知識のもと、日々の会計記帳を拝見することによって、納税資金の用意、税務的に問題が起きそうな取引というものを事前に知ることができるというメリットがあります。
設立後、すぐに税務署から調査がくるのか?
会社を設立したという理由だけでは、税務署の調査が入るということはありません。
税務署の調査というのは、どのようなものか?
その会社が、適正に取引を帳簿に記載し、その帳簿に基づいて税務申告がされているか否かを調べに来ます。ですから、時には数日間に渡って帳簿をチェックされたり、資料(税務署側で調べた資料等)と矛盾がないかを確認しに来ます。
通常では、調査に入る前に事前に税務署から電話連絡等がありますので、いきなり来るというのは稀なケースです。



